経験から考えるファンのありかた~アイドルグループNEWSを参考として~
こんなタイトルの記事を書こうと考えたのは、私自身の育ってきた環境からだ。
なぜこんな堅苦しい口調なのかは、今回はこちらの方が自分の考えをストレートに表現できるのではと考えたからである。
私の母親は大の山下智久さんのファンだ。
10年と少し前くらいは、母親の車に乗ると必ずといっていい程、NEWSの曲がかかっていた。
当時の私は聞いたままに流れる音楽に合わせ、彼らの声に合わせ歌を歌っていた。
夜中にたまたま起きるとリビングが仄かに明るい。
何かと思い、扉を開けると時間を惜しんでライブ映像を見ている母親の姿があった。
彼女がファンになったきっかけはドラマ「野ブタ。をプロデュース」の彰を見たからだ。
彼のどこに惹かれたかは未だに聞けずというか、分からないままだが、
すぐさま「青春アミーゴ」を購入し、ありとあらゆる音楽番組を録画していた。
(音楽番組のデータは当時はまだVHSでの録画だったが、ブルーレイにダビングし、しっかりと保存してある)
そこからNEWSへと興味を持つのは当然のことだった。
NEWSが出演する番組を録画し、CD及びDVDも購入する姿がそこにはあった。
(後の2006年にはNEWSは連帯責任として一時的に活動休止となるが、彼女の熱は冷めることはなかった)
過去に出演したドラマの再放送をきちんと録画し、今でもデータが残ってある。
「池袋ウエストゲートパーク」は再放送が無かったので、何度もレンタルショップでビデオを借り見ていた。
そんな姿を目の前にしていた私は特に悪い感情を持つことはなかった。
むしろ、自分自身もジャニーズアイドルというきらきらした存在を初めて知り、
彼らが気になるようになった。
(ちなみに加藤シゲアキさんが今でも好きだ)
煌びやかな衣装を纏った青年たちが多くのファンの前で堂々と歌い、
レーザービームが飛び交う中、一生懸命に笑顔を振りまき、時に真剣に、時にふざける姿を見れるライブ映像もとても見応えのあるものだった。
CDも、良い曲が多く今でも「snow express」や「I.ZA.NA.I.ZU.KI」など音楽が流れたら歌える曲もいくつかある。
NEWSが生活の中に当たり前のようにある生活が普通だった。
これからもそのような生活が続いていくと、何も保障が無いながらも漠然と信じていた。
ちなみに私はその後ジャニーズへの興味は無くしたり取り戻したりの繰り返しであった。
もう一つだけ言っておくと、軽度のアレルギーになってしまった。
メンバー内でも露出の多かった山下さんは、ドラマなどの宣伝のたびにテレビ出演をしていた。
私が見たいテレビ番組と被ってしまった場合は最悪だ。
「テレビ買ったのはお母さんだから」
という一言であっけなくチャンネル権はあちらになってしまった。
このような期間が数年あり、その結果軽度の山下さんアレルギーになってしまった。
それでも母親は、彼を応援し続けていた。
ところがその生活は突然消え去ってしまうのである。
2011年10月
その日はいつものように、私は朝食を食べながら、母親は洗濯物を干しながら、
朝のニュース番組を見ていた。
いつもは聞き流すのだが、そのニュースは耳にそして視覚にしっかりとした形で入ってきたのを覚えている。
2人の脱退。
確かに、山下さんはその当時はソロ活動の方に力を入れていた印象がある。
しかしまさか脱退とは。
その後のことはあまり覚えていない。
ただ、その報道に母親は怒り「裏切り者」と言い、
CD及びDVDを売れるものは全て売り払ってしまった。
(使い過ぎてぼろぼろになってしまって、売れなかったものもある。しかし、裏を返せばぼろぼろになるまで使ったということだ)
個人的には、その母親の姿の方が衝撃的だった。
あんなにも車の中で流れていた音楽を、夜寝る時間を惜しんで見ていた映像を、
そんな簡単に手放してしまう姿を見たことがショックだった。
(売ったあとに「DVDは高く売れた」とすっきりした顔で言っていたのを見て、後悔は全くないことが分かった)
これらのことから、ここですっぱりとファンであることをやめると予想していた。
しかしそれは違っていたのである。
CD及びDVDを購入することは滅多に無くなってしまったが、
脱退報道が出た翌年のドラマ「最高の人生の終わり方~エンディングプランナー~」を始め、以降のドラマは必ずと言っていいほど見ていたし、
音楽番組や司会を務めたバラエティ番組もだいたい録画していた。
(音楽番組の場合は今でもデータとして残しておいてある)
つまり、先述した通り、今でも山下智久さんを好きなのだ。
ただ、今までと違うことがある。
NEWSを追いかける姿は無くなってしまった点だ。
翌年に出したシングル「チャンカパーナ」を購入することはなかったし、音楽番組なども見ることはなかった。
その後のCD及びDVDにもほとんど手を出さなかった。
そう、山下智久さんが抜けたNEWSに興味を示すことはなかったのだ。
特に私は何も気にせず、普通のスタイルだと思った。
しかし、違う考えがこのあと生まれるのである。
前にジャニーズのあるグループをかなりの熱度で応援していた時期があった。
(申し訳ないが今は完全に冷めている。いわゆる担降りだ)
そのグループ自体が好きで、彼らが揃って番組に出ている姿を見るのが好きだった。
彼らの中でも特にこの一人のタレントが好きという感情はあった。
そもそもその彼をかっこいいと思ったところから、そのグループを応援するようになった。
しかし、彼がもしそのグループから抜けてしまったら。
(想像したくもないのだが、)もし彼がグループから抜けてしまったとしても、
残ったメンバーで形成されるグループを愛したいと考えている。
そして、一番好きな彼を非難するつもりもない。
どんな姿になってしまっても、グループという単位を好きでいたい。
そのように考えている。
ここで、母親と考えの差が生じてしまったのだ。
始まりは2人とも同じようなものだった。
そもそも個人的な意見として、個人を好きになりグループを好きになるのと、
グループを好きになり個人を好きになるのとでは、圧倒的に前者の方が多いと考えている。
(あくまでも個人的な意見なので、後者の考えがあってもおかしいとは思わない)
しかし、個人とグループの見方はお互い異なってしまったのである。
簡単に言うならば、母親は個人を通してグループを見ていた。
少し詳細に言えば、グループという単位に収まっていた彼だけを抽出し、そこを中心としていた。
対して私は、グループを通して個人を見ていた。
例えば、カレーがあったとする。
しかし、そのカレーには肉が入っていない。
肉が入ってなかったとしても、私はカレーを全く食べないことはないだろう。
私はカレーに肉が入ってなかったとしても平然と食べるタイプと言える。
この理論からいくと、母親は肉の無いカレーは食べないと例えることができる。
母親とはそこそこの付き合いだし、ずっと一緒に生活をしてきた。
生活してきた環境は一緒だったが、ファンとしての姿への考えは異なっていたようだ。
どこでこのようなことが起きてしまったかは分からない。
それぞれ違うグループに熱を注いだ結果としか言えないが、
こんなにも考えが違ったことに改めて驚いてしまった。
ここまで長々と書いたが、決して母親を悪く言うつもりはない。
好き嫌いもあまり合わないが、それでも話せば楽しい相手だ。
2人でNEWSのライブ映像を見るのはなかなかに楽しかった。
そして、山下智久さんを悪く言うつもりもない。
脱退報道を聞いて多少印象は変わったが、ソロでもきちんと結果を残しているし、
なにより一人で戦っている姿が魅力的だと思っている。
多少のアレルギーはあるが、テレビで映っていたら何も考えずに見ている自分も現にいる。
そして私は今のNEWSが好きだ。
新年一回目のKちゃんNEWSは4人で話していたが、とても和やかでかわいらしく、
聴いているこちらも幸せになれるようなものだった。
CDなどを買うことはないが、テレビに出演していたら見るし、今の彼らの色はとても魅力的に見える。
言っておくが、決して9人の時代も、8人の時代も、6人の時代も否定するつもりはない。
それぞれがそれぞれの良さがあったように思えるし、
「SHOCK ME」の6人が並ぶ振付がとても好きで、あれがもう見れないのかと思うと淋しい気持ちになる。
今回、このようなブログタイトルを設定し、堅苦しい口調で長々と書きしるしたのは、
ファンの形も色々あるということだ。
もちろん、ファンのありかたに文句を言うつもりはない。
考えが合わないのならシャットアウトするし、考えが同じなら賛同したい。
一人一人にそれぞれのスタイルがあっていいと考えている。
自分の考えに縛られて、他の考えを頭ごなしに否定してしまうようなことは自分自身あってほしくないとの願いをこめて結びとする。